青春の蒼い花
「…隣にいたの蒼衣だったんですね」
しばらくするとさきほど春川が出てきたカーテンの後から、浅井が現れた。
ジャケットを羽織りながら、保健室にある鏡の前で身だしなみをチェックする。
「…蒼衣…?
あーあ、そう言えば
卓巳くんの隣の家の子、蒼衣ちゃんっていってたわね。
あの子だったのね…。
でも、よかったの?
もしかしたら白石さん、起きていたかもしれないわよ?」
「それは大変ですね。
俺、蒼衣にだけは嫌われたくないですから」
「へぇーそうなんだ。
なんか妬けちゃう。」
「何言ってるんですか。
俺は妹としか見てませんよ。」
「そう……妹…ね。
ねえ、卓巳くん、
もしかしてこの次のあなたの授業って
1年3組?」
「え…っ、なんでわかったんですか?」
ふーん、そういうこと。
どうやら、向こうはあなたのこと
お兄ちゃんだなんて思ってないようだけど?
「絶対に渡してなんてあげないから」