青春の蒼い花
「そうそう、俺、
あれ見てから白石と殿のこと我慢しようと思ってても観察しちゃってて、
でも、俺、気づいたんだけどさ
白石、殿のこと好きだぜ
あの様子だと。」
「はあ!???
白石が??ありえねーだろそれ!!」
全く聞き捨てならない話だ!
白石があんな見るからにチャラそうなやつのこと??
ありえねーだろ、あいつに限って。
だって、俺のこの外見にすら
チャラいとか意味のわからないこと言ってくるんだぜ?
ないない。
だってあいつ、俺以外に話す男なんていないはず…
「何んだよ、勇心。
お前、やっぱり白石のこと好きなのか?」
ニヤニヤと岡崎が俺の方を見てくる。
確かに一見そう聞こえるかもしれないが
あいつと俺は友達だ。
「んなわけねーだろ。
あいつに限ってそれはねえって言いたかっただけだよ。俺はあいつの一番近くにいる男友達ってやつだからな。」
まったく、いつになったら
こいつらの勘違いはおさまるんだか。
「ほんとお前ら、俺たちのことちっとも分かってないよな。」
俺は呆れてそう言うと
「高津には言われたくないよ。自分の気持ちにも気づいてない大バカにはね。」
今までずっと黙って、聞いてるのか聞いてないのかわからないような位置で俺たちと一緒にいた中司がつっこんできた。
中司のいつものスタイルだ。
俺たちの会話の締めはこいつの一言だ。
いつも喋らず、俺たちと一緒にいると思ったら、急に喋った一言で笑いをとる。
だけど、今日は
俺には笑えない、意味の分からないことを言いやがる。
それにこいつ俺のこと大バカだと言いやがった!
俺の両サイドにいる長瀬と岡崎はケラケラと笑い出す。
俺は意味がわからないまま、馬鹿にされたと思って一発蹴りを中司に食らわせようとする。
しかしそれをすんなりと避けられ、余計に腹がたった。
他のふたりは仲良く中司と肩を組んで更衣室を出ようとする。
「なんなんだよ、あいつら。」