青春の蒼い花
授業が終わると、真っ先に明日香が私の元へやってきた。
「ねえ、明日香さっきのどーいうこと!
なんであんたと浅井先生が、あんなに見つめてあってたのよ!!」
やっぱり…
私はたく兄とのことを誰にも話す気はなかったが、
明日香に嘘は通用しないと思い全てを打ち明けた。
「え、浅井先生が蒼衣が前に言ってた初恋の人なの??」
「うん…」
私は下を向いたまま頷いた。
あとになってから恥ずかしさがこみ上げてくる。
なんで、好きだったなんてことも話しちゃったんだろう。
でも、その後悔はすぐに消えた。
「うっそーー!!
そんな偶然ある!!?
私、蒼衣のこと応援するからね!!」
嬉しそうにそう言った明日香。
彼女の笑顔を見ると、言ってよかったのだと思った。
友達に好きな人を打ち明けたのは初めてだ。
てか、私、今もたく兄のこと好きだなんて言ってないのに…
明日香を見るとまだ嬉しそうにしている。
なんでもお見通しなのね、明日香は。
まさか応援してくれるとは思わなかった。
5歳も年の差がある人なんて勇気があるねとか、私だったらありえないだとか
批判的なことが多いはず。
だけど真っ先に彼女がそう言ってくれたのは、何よりも嬉しかった。
私の初恋が認められた気がした。