青春の蒼い花
ため息ばかりをつく私を見て、深入りはせず、
様子を見てちょっかいを出してくる某隣人さん。
心配してしてくれていることだと思うと
こいつのこういう優しいさには何度も救われているなとつくづく思う。
「ほら、これやるよ」
高津が私に差し伸べたのは
私の好きなアーティストをモチーフにしたマスコットキャラクターのストラップだった。
「なんでこれ」
まさかそんな良いものを高津がくれるとは思わなかった。
確かにコレをくれるのであれば、是非とも貰いたいのだけど、
高津も私と同じ、そのアーティストが大好きなはずだ。
「いいの?貰って?」
「いいよ。俺、その色違い持ってるから」
そう言って、部活の鞄を私に見せる。
そこには彼の手に持っているものと、同じストラップがついている。
どうやらUFOキャッチャーで2つ取れたらしく、その一個を私にくれたということだ。
私はそれを彼の手から受け取り、さっそく自分の鞄につけた。
嬉しそうにしている私をみて、高津も少し嬉しそうだった。
高津は私が弱っていると、とてつもなく優しくなるようだ。
いつもなら、これやる代わりに課題を見せろなんて条件つきのはず。
やっぱりこいつに頼み事するときは、弱っているフリをしよう
なんて思えるほど、私は高津のおかげで
いつもの自分をとりもどしていった。