青春の蒼い花
友達じゃない
ストラップ
「っしゃー!スコア150超えたぜ!」
その日はオフで俺は岡崎たちとボーリングに来ていた。
「次どこ行くよー」
「ゲーセン行こーぜ、ゲーセン」
二階建ての建物。
階段を登っていくと、2階にはゲームセンターがある。
「俺はメダルゲームするけど、お前らは?」
「おお、俺も」
最近はゲームセンターにくると、メダルゲームをずっとしている。
俺も大分はハマってメダルは稼いでいる方だ。
みんなが奥にあるメダルゲームのコーナーへ進んでいくなか、俺は途中にたくさん並んでいるUFOキャッチャーを横目で見ながら進んでいき、そのうちのある景品に目がとまった。
「これって.......」
それはAlexのキャラクターのストラップだった。
Alexとは俺が中学のころからハマっているバンドだ。そしてたまたま白石もファンだとこの前話したのを覚えていた。
俺は咄嗟に財布を取り出して
100円玉を取り出し機械に入れた。
あまりUFOキャッチャーは得意でない俺は苦戦し、財布の中の百円玉はあっという間につきてしまい、俺は両替機に向かった。
「どーした、お前Alexそんな好きだったっけ?」
両替機を操作していると
岡崎が横に来て話しかけてきた。
「好きだよ」
俺はそう言いつつもストラップをとりたいと思うのはただ単にAlexが好きだからというより、
白石のためだというのは明確だった。
「て、お前、1つとってんじゃん」
その通りだ
俺の左手に握られてあるのはAlexのストラップだった。
そこで俺は次に投げかけられるはずの質問の言い訳を考える
「じゃあ、なんのためにもう一個とるんだよ?」
でもどうしてもその言い訳が思いつかなくて
俺は正直に白石もこのAlexが好きだからと答えた。
すると岡崎はニヤッとして
「まあがんばれよ」
そう言ってニヤニヤしながら
メダルゲームの方へ戻って行った。
俺が白石の話をするとあいつらはいつもニヤニヤして俺を見てくる。
だから俺はあいつらの前で白石の話をしたくなかった。