あの夏
3章

6月

6月になって、奏叶は学校が忙しくなり二人は相変わらず家に帰って来ない。

わたしは、久しぶりに自分の家に帰ることにした。

「ただいま 〜」

帰ると2階からお父さんが降りてきた。
失敗したと思った、休日はお父さんがいるのをすっかり忘れていた。

「お前、良く帰ってこれたな。フラフラして、学校にも行かずに。」

静かに怒りながらお父さんは呆れも含めているような溜息を吐き出した。

「別に良いじゃん?こんな家よりも向こうの方が楽しいし〜。6月はなるべく帰るし学校も行くから文句無しね〜」

「そんな簡単に認めると思うなよ、髪の毛も黒に染めろ煙草を辞めろ、あの三人と関係を切れ。これを守れないなら家には居させない。分かったな?」

「はぁ?!何それ無理だから!」

無理な条件を突きつけた親を無視して自分の部屋に行くと扉の向こうから怒鳴り声がずっと聞こえてきた。

何でこうなんだろう、何でうちはこうなんだろう。2人みたいに自由に生きたい。
ずっと、そう思っていた。

6月は3人と会わない。学校に行くその条件で居させてもらった。

4月以来の学校では友達も居ずに、保健室登校を繰り返していた。
奏叶、仁、蒼に会えないのが辛くて
偶に勝手に会っていた。

バイクで学校に来てもらったり、少しだけ話をしたり。

その度に先生に呼び出しされていたけど、
そんな日々も楽しかったよ
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