あの夏
この時は本当に、楽しければそれで良かった。

「奏叶とさ、2人って本当に似てないよね〜」

『【あー、それは。ね?】』

初めて2人が見せた楽しくなさそうな顔。

楽しければ良かったそう思っていたから、
それ以上は聞かなかったけどすぐ知ることになったんだよね。

奏叶は4月になってから、勉強にテスト課題
忙しくなってたね。

《単位があああ!》

って叫んでたの横で見てたから。

それでも、遊んでくれた。

怪我した時は真っ先に迎えに来てくれた。

「奏叶はさ、年下過ぎるの嫌い?」

《んー、年下の方が可愛がれて良いかも》

そう聞いた時にはもう、好きだったんだよ?

そう答えたけど、中学生じゃまだまだ子供

奏叶と、お似合いになるにはどうしたらいいかなって考えて

大人っぽくなろう!

そう思って、髪の毛茶色にしたの。

すっごい、怒ってたよね 。
ごめんね?
振り向いて欲しかった。

こんなに楽しかったけど、私たちの出会いって、本当に偶然。

神様に感謝しなきゃ。
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