エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
お風呂場を出て洗面所に向かい、身だしなみを軽く整えた私は、そっと様子を窺うようにリビングへと足を進めた。

「身体はちゃんと温まったか?」

「……あ、はい」

京極さんとの話が済んだ聖さんがソファーに座って私を待っていた。

「紗凪、隣に座ってくれるか?」

「あの、その前に聖さんも身体が冷え切ってるからお風呂に入ってき……」

「先に紗凪と話したいんだ」

そう真剣な顔で言われてしまえば私には聖さんと話すという選択肢しか残ってはいない。

「……失礼します」

少し身構えながら、そして少し聖さんと距離を取りながらゆっくりと隣に腰を下ろした。
< 123 / 180 >

この作品をシェア

pagetop