エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
そして、そんな聖さんの顔が私の瞳に大きく映るようになっていくのは聖さんが私の方に顔を寄せてきているから。

「……ひ、じりさん?」

スッと私の顎に伸びた聖さんの手。くいっと私の顎を上げたと思ったら再び私の前に影が落ちた。

「紗凪が実感出来るまで何回でもキスするから」

「…んっ」 

聖さんのキス攻撃に私のドキドキは加速していく。そして唇から首筋へ、そして首元から肩へ。

聖さんの唇が私の身体のどこかへ触れる度に身体が熱を帯びていく。

それと同時に胸の中に幸福感と愛おしさが溢れていき、頰を嬉し涙が伝う。

「紗凪、心から愛している。だから俺だけを見て全身で俺の愛を感じていろ」

クールな彼が耳元でそんな甘い言葉を囁いて、私はその想いに応えるように聖さんの背中に回した両の手にギュッと力を込める。

そして聖さんの深い愛情に包まれ、互いの温もりを直に感じながら、私はこの日初めて聖さんと身も心も結ばれた。
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