エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
聖さんの温もりと愛情に包まれながら眠りについた日の翌日。まぶたの裏に感じた陽の光に導かれるように、ゆっくりと目を開ければそこには愛しい人の顔があった。

「おはよう、紗凪」

「おはようございます」

聖さんが私の頰を優しく撫でた。

「聖さん、いつ目が覚めたんですか?」

「三十分くらい前か。紗凪の寝顔があまりに可愛くて見惚れてた」

「……え? ちょっと恥ずかしいからやめてください」

恥ずかしさのあまり逆を向いて布団を被って聖さんから顔を背けた。

「可愛いんだから別に恥ずかしがることはないだろう?」

「全然可愛くないですし、しかも今すっぴんなので」

「紗凪は自分にもっと自信を持った方がいい。お願いだからこっちを向いてくれ」

「恥ずかしいから、嫌です」

「紗凪?」

「……」

「分かった。紗凪がこっちを向いてくれないならば、ここは強行突破しかないな」

「……っ⁉︎」
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