エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい

白い薔薇に想いを込めて

それから二週間が過ぎた。私は朝からはやる気持ちを抑えられずにいる。

「なるべく早く帰るようにするから」

「はい。気をつけて行って来て下さいね?」

「ああ。行ってきます」

玄関で聖さんが私のおでこにキスをしてマンションを出て事務所に向かった。

クリスマスイブの朝。急遽、仕事が入った聖さんを私は玄関先まで見送り、そしてまずは部屋の掃除を始めた。

聖さんが帰って来るまでに部屋を綺麗に片付けて夕飯の買い出しに行って、ケーキも取りに行かなくちゃ。

腕まくりをして行動開始だ。本当は聖さんと朝から買い物に出て映画に行く予定だったが、

急遽、聖さんの仕事が入って次の休みに持ち越しとなった。

仕事だから仕方がない。それに早く終わらせて帰って来てくれようとする聖さんの思いは嬉しいし夜は一緒に過ごせるのだからこれ以上、贅沢は言わないことにしようと軽く心に誓ってみる。

鼻歌なんか歌って掃除機をかけて、ひと通り掃除が終わったらダイニングテーブルのクロスをクリスマス風のテーブルクロスに模様替えをして、最後に花をダイニングテーブルの中央に飾ってみた。

我ながらいい出来だ。

そう思いながら、私はコートを羽織って買い出しに出掛けた。
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