エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
買い出しに出かけ、その最後に予約していたクリスマスケーキを受け取ってマンションに戻って来た。そして軽く昼食用の卵サンドを頰張りながら時計を見上げれば、時刻は午後二時を回っていた。

私の手際と料理の腕前からすれば、余裕を持ってそろそろ下準備を始めないと、そう思いエプロンをしてキッチンに向かった。

今日のメニューはジャガイモのビシソワーズとサーモンとアボガドのタルタル、それから一口手鞠寿司、そしてメインは牛頰肉の赤ワイン煮込みだ。

私史上、最もハイレベルだと言っていいおもてなしフルコース。下調べして置いたレシピと睨めっこしながら、ゆっくり確実に作業を進めていく。

「うーん、もう少し塩胡椒を加えてみようかな?」

何度も味をチェックしながら格闘すること四時間あまり。大分時間は掛かったが、無事にフルコースが完成してホッと胸を撫で下ろす。

後は聖さんが帰って来るのを待つだけ……そう思いながら料理の後片付けに入った。

そして片付けを終えると、聖さんが帰って来るまで録り溜めていたドラマを見ることにした。

ソファーに座りながらリモコンで録画リストを見ていく。暫くドラマを見ていたら、うとうとし始めた。

朝からフル回転で頭も体も動きっぱなしだったから、疲れがどっと押し寄せて来たようだ。
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