エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
それからどのくらい時間が経っただろうか。ハッと我に返り、辺りをキョロキョロと見渡した。

ソファーの肘掛けに横になりどうやらそのまま寝落ちしてしまったらしいことに気がついた。それと同時に体にかけられていた白い毛布が目に入った。

「聖さん?」

バッと体を起こして愛しい人の名を呼べば、


「ただいま、紗凪」

ダイニングの方から聖さんがにこやかに笑って顔を出して、こちらへと足を進めて来る。

「ごめんなさい。私、寝てしまったみたいで」

「休息は必要だ。仕事続きで体が疲れていたんだろう。紗凪は頑張り過ぎるところがあるから無理はしないでほしい」

聖さんがそう言って私の頭を優しく撫でた。

「気をつけるようにします。ところで聖さん、いつ帰って来たんですか?」

「ついさっきだ。そしたら紗凪が気持ちよさそうに寝ていたから、その隙に紗凪が作ってくれた美味しそうな料理を少しだけつまみ食いしようなんて悪巧みを考えていたら紗凪が起きた」

聖さんがフッと笑いながら私の隣に腰を下ろし、

「さて、そろそろふたりの時間を楽しもうか?」

そして聖さんがそう言って私の手を取った。
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