エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい

それぞれの思惑と攻防戦

そんな一生忘れられないだろう幸せなクリスマスイブをふたりで過ごし、年始は初詣に行ったりもした。

正月休み明けには結婚のことを会社のみんなに報告して職場の人たちから祝福を受けた。何もかもが順調で幸せな日々。毎日、仕事に追われながらも幸せだと思えるのはーー

「紗凪、そろそろ行こうか?」

「はい」

隣に愛しい聖さんがいるから。

「今日の打ち合わせはテーブルコーディネートと披露宴の料理の確認だったか?」

「はい、そうですね」

その日、私は仕事を終えてから聖さんの運転する車でウェディングサロンへと向かった。

「東條様、お待ちしておりました。さぁ、こちらへどうぞ」

サロンへ着くと受付の女性が優しい笑顔で迎えてくれて奥の個室へと通された。

あれから聖さんと結婚式場をいろいろと見て回り、最終的にはチャペルの雰囲気が気に入ってこの結婚式場に決めた。今はこうやって聖さんと時間を見つけては打ち合わせに来る日々だ。

サロンに来て1時間半あまり。

ウェディングプランナーさんのアドバイスを聞きながらテーブルコーディネートの色は上品なグレーとふたりが好きな淡いパステル系の水色をメインにすることに決めた。

それから装花や料理のメニューなどを決めてその日の打ち合わせは終了した。

「こうやっていろいろと決まっていくと結婚式がもうじきなんだと実感するよ」

「そうですね。私もワクワクします」

「次は紗凪が楽しみにしてるウェディングドレスの打ち合わせだろう? 早く紗凪のドレス姿を見てみたい」

サロンを出て車の中に乗り込んですぐ聖さんがそう言って微笑んだ。そして車を走らせようとしたそのとき。

ーープルルルル

聖さんの携帯の着信音が車内に響いて、なかなか鳴り止まない着信音に聖さんは車を停めて携帯を手に取りその電話に出た。
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