エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
それから月日はあっと言う間に巡り、東條物産の創立記念パーティーの日を迎えた。

この一ヶ月の間、仕事と結婚式の打ち合わせと創立パーティー関係のお手伝い、そして招待客の皆様の顔や名前や基本情報を覚えるのに大忙しだった私。

学生時代より勉強したんじゃないかと思えるくらいに頑張った自分自身を褒めてやりたいくらいだ。

「紗凪? あまり顔色が良くないようだが大丈夫か?」

「はい、大丈夫です。緊張していて実は昨夜はあまり寝られなかったんです」

心配そうに私の顔を覗く聖さんに私は精一杯の作り笑いを返す。

「無理はしないでほしい。何かあればすぐに俺に言ってくれ。紗凪の隣にいるから」

「分かりました。とても心強いです」

聖さんの優しい言葉に少し肩の力が抜けて楽になった気がする。
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