エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
事務所を出て大通りに出てすぐにタクシーを捕まえて飛び乗った。

四十分の遅刻か、凛華怒ってそうだな。

タクシーに乗りながら腕時計とにらめっこすること数十分。キラキラと輝く繁華街の裏通りにある『ブロッサム』の看板が見えてきて、私はタクシーを停めた。

金曜日という事もあり繁華街は人で溢れている。コツコツとヒールを鳴らしながら店内へと入った。

ダウンライトが温かな空間を演出しているモダンテイストな店内。店員さんを捕まえて凛華たちのいる場所を聞いて足を進めていく。

着替えてくる余裕も化粧直しをする暇もなくて、せめて髪だけは! なんて思って軽く手櫛で直してみる。

だが、今更無駄な足掻きだ。服に関してはシックなネイビーのワンピースだからまだ良しとしても。タクシーの中で化粧くらいは直してくれば良かったと今更ながら後悔しつつ、
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