エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
「初めて君と会った日は正直、なんなんだこの非常識な生意気な女は、と思ったが。君のような女性は俺に取って新鮮だったりする」

「新鮮……?」

「ああ。あの日暁斗も言っていたように俺や暁斗に近づいてくる女の大半は俺らの上辺だけを見て擦り寄ってくる。だけど君は違った。無愛想な俺の前で機嫌を取る訳でも俺の前で猫を被る訳でもなく、家柄や職業なんて興味なし。挙げ句の果てにズバズバ物を言ってきて喧嘩を売ってくるっていう。本当に面白い女性だ」

「それって私の事褒めてます? それとも貶してます?」

「勿論、褒めているんだよ。それに君に言われた事にムキになってしまったのは図星だったからだ」

「図星って何がですか?」

「恋愛が怖い…半分当たっている気がして、ついムキになって君に酷い言い方をしてしまった。大人気なかったと反省している。あの時は本当にすまなかった」

私に向かって頭を下げる東條さんの予想外の姿に私はあたふたするばかりだ。

「ち、ちょっと東條さん! 私、そんな気にしてないですから。頭を上げて下さい! それに私だって生意気な口を聞いてすみませ……」

逆に申し訳なくなって謝り返そうとした私の言葉を遮ったのはーーーー
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