エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
私っていらなくない?

三対三で盛り上がっていたと思われるその場に私が乱入してしまったら私があぶれてしまうではないか。居心地の悪さを感じつつ、

「改めまして、かんぱーい」

ひとまずゴクリとビールを飲んだそのとき。

ガチャッー

「遅くなってすまない」

私の疑問はその人物の登場ですぐに消えることになった。

「ちょうどいいところに来たじゃん」

その人物を見て最初に反応したのは大人な雰囲気漂わせるイケメン京極さんだった。

「仕事が押してしまってね」

そう言いながら私の真ん前の席に腰を下ろしたのはネイビーのスーツに水色ネクタイのきっちりスタイル、切れ長な瞳に鼻筋が通った容姿、クールな雰囲気を漂わせるこれまたイケメンだった。

「こいつ、俺の幼馴染みの東條 聖(とうじょう ひじり)。きっと紗凪ちゃんと気が合うと思うよ。こいつね……」

そこまで京極さんが言いかけたそのとき。

「あっ!」

スーツの襟に見えた裏返しのバッジ。もしかして、彼は……
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