エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
「あれ?聖さん…?」
キッチンから私が戻るとダイニングにいたはずの聖さんの姿がない。自分の部屋にでも行ったんだろうか? そう思いながら私はタルトを切り分けて待つことにした。
ふと、ダイニングの置き時計に目をやれば時刻は二十三時を回っていた。後、一時間ほどで結婚生活初日が終わろうとしている。
今日は本当にいろいろとあったなぁ。頭の中で一日を振り返って見ると、その過酷さになんとかやり切った自分自身を褒めてやりたい、そう思いながら切り分けたタルトを皿に移していたそのとき。
「紗凪、ちょっとこっちに来てくれないか?」
そんな聖さんの声がして私は作業をやめてリビングの方へと足を進めた。
「聖さん、どうしたんですか?」
「ソファーに座ってくれ」
「あ、はい」
言われたようにソファーへと腰を下ろした。それを見て私の隣へと聖さんも腰を下ろす。
「今日中にどうしても紗凪に渡したい物があるんだ」
「私に渡したい物ですか?」
まったく見当がつかず、キョトンとした表情で聖さんを見つめる私に向かって優しく微笑む聖さんがそっと、ある物を差し出した。
キッチンから私が戻るとダイニングにいたはずの聖さんの姿がない。自分の部屋にでも行ったんだろうか? そう思いながら私はタルトを切り分けて待つことにした。
ふと、ダイニングの置き時計に目をやれば時刻は二十三時を回っていた。後、一時間ほどで結婚生活初日が終わろうとしている。
今日は本当にいろいろとあったなぁ。頭の中で一日を振り返って見ると、その過酷さになんとかやり切った自分自身を褒めてやりたい、そう思いながら切り分けたタルトを皿に移していたそのとき。
「紗凪、ちょっとこっちに来てくれないか?」
そんな聖さんの声がして私は作業をやめてリビングの方へと足を進めた。
「聖さん、どうしたんですか?」
「ソファーに座ってくれ」
「あ、はい」
言われたようにソファーへと腰を下ろした。それを見て私の隣へと聖さんも腰を下ろす。
「今日中にどうしても紗凪に渡したい物があるんだ」
「私に渡したい物ですか?」
まったく見当がつかず、キョトンとした表情で聖さんを見つめる私に向かって優しく微笑む聖さんがそっと、ある物を差し出した。