愛する妻を口説く方法

作戦その1


家に戻り、服装や身だしなみを確認する。
それだって、重要なポイントだ。気は抜けない。
大人の男を演出する。

リビングで、美海を待つ。
今日のことを考えるとドキドキが止まらない。
しばらく待っていると、美海が支度を整えて出てきた。

薄い水色のワンピースにショールを羽織っている。
いつもパンツスーツばかりなので、いつもとのギャップに見惚れる……

いかんいかん。見惚れてる場合じゃなかった。

「じゃあ行くか。」
手を差し出すと美海が不思議そうな顔で見上げてくる。
最近、手なんて繋いでなかったもんな。
でも、
「今日は1日デートだから。」
「そ、そう?」

ついでに、思ったことを口にしてみる。
「キレイだな。」

あ、赤くなった。

「それより、早く行こ‼」
早口でごまかすのは美海が照れている証拠。
少しだけ心が浮き立つ。

「んじゃ、行くぞ。」
強引に手をとって歩き出す。

「どこ行くの?」

にやりとわらってみせる。
「行ってからのお楽しみ」

彼女は楽しんでくれるだろうか。
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