愛する妻を口説く方法

「美海。チケット当たったんだけど行かないか?」

「なんの?」

不思議そうに聞く美海にチケットを見せながら話をする。
「ディナークルーズ。
12歳以下は入れないらしいからさ。さなはじぃじばぁばに預けて、2人で行こうよ。」

一瞬、きょとんとしたあと、ぱっと顔が明るくなる。
目がキラキラ輝いている。こういうところがすごくかわいい。

「行くっ。行きたい!!」
「じゃあ決まりだな。」

嬉しくて微笑むと、
「すごくうれしそうだね?」
「まぁな。」

美海が俺の誘いに乗ってくれたんだ。うれしいに決まってる。
『さなが行けないなら、行かない。』
『日頃お世話になってるし、お義父さん、お義母さんに行ってもらおうよ。』
そう、言われる覚悟もしてた。
そう言われたときの、返しかたも考えてた。
なのに…
意外とあっさりOKしてくれて、
嬉しそうにしてくれて。
頬が緩む。

「楽しみにしてるねっ」
と、美海は早足でリビングを出てしまった。

ふぅ。とりあえず、第一関門突破。。。

これから、作戦を練らなければ。
< 2 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop