愛する妻を口説く方法
「美海。チケット当たったんだけど行かないか?」
「なんの?」
不思議そうに聞く美海にチケットを見せながら話をする。
「ディナークルーズ。
12歳以下は入れないらしいからさ。さなはじぃじばぁばに預けて、2人で行こうよ。」
一瞬、きょとんとしたあと、ぱっと顔が明るくなる。
目がキラキラ輝いている。こういうところがすごくかわいい。
「行くっ。行きたい!!」
「じゃあ決まりだな。」
嬉しくて微笑むと、
「すごくうれしそうだね?」
「まぁな。」
美海が俺の誘いに乗ってくれたんだ。うれしいに決まってる。
『さなが行けないなら、行かない。』
『日頃お世話になってるし、お義父さん、お義母さんに行ってもらおうよ。』
そう、言われる覚悟もしてた。
そう言われたときの、返しかたも考えてた。
なのに…
意外とあっさりOKしてくれて、
嬉しそうにしてくれて。
頬が緩む。
「楽しみにしてるねっ」
と、美海は早足でリビングを出てしまった。
ふぅ。とりあえず、第一関門突破。。。
これから、作戦を練らなければ。