ユリの花はあまり好きじゃない
 だから私は「おやすみ」
 それだけ言って、通話を終わらせた。

 何もかもが一方的な終わり方。

―――最低。
―――最低。
―――私は最低だ。


 翌日、携帯電話会社に行き、長年使用していた番号を解約させた。

 これでシンちゃんと繋がっていたものは全て断ち切られたのだ。

 それから半年が過ぎ、私は桐生さんと同じ姓を持つことになった。


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