綺麗なブルーを描けません
ずっと気にしてたらしい柚葉さんが気づいて、走り寄って来てくれた。

「お前…何があった!?」

あたしのことを心配してきてくれたハズなんだけど、今は、柊くんのことしか目に入ってない様子。

その、柊くんは腕で額を押さえている。

でも、その腕は、さっきぬぐった血のせいで真っ赤だ。

柚葉さんは、腕を押しのけて、額を確認する。

「わっ」

言って、ぐいっと目を閉じた。

まるで、自分が痛みに襲われたみたいに。

「大丈夫だって。額をちょっと、切っただけ。ここ切ると大げさに血が出るだけだから」

逆に柊くんが、なだめるように言う。

「せっかくのイイ男が…」

「いや、大したことないから、傷も、オレも」

聞いてるあたしが笑いそうになる。

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