綺麗なブルーを描けません
とにかく、この場所を離れながら、カバンから取り出したポケットティッシュを、袋を剝いて柊くんに渡した。
「ありがと」
腕の代わりに額に押し付ける。
血まみれ…
柚葉さんが自分の上着を脱いで、惨状にしか見えない柊くんの服を、覆ってあげる。
心配そうに、柊くんを伺いながら。
…何か…
柊くん、このヒトの弟だったら、よかったのにな。
そおしたら、普通に幸せだったのに。
心の底から、そう、思った。
「…血、止まったかも」
柊くんがつぶやいて、ティッシュの束を額から除けると、柚葉さんは覗き込んで、
「1㎝くらい切ってる。病院…」
「行かない。大丈夫」
「でも、傷が…」
柊くんがクスっと笑った。
「残らないと思います。それに、このくらい残ったところで大したことないです。…江間さんだったら、心配してあげないといけないけど」
柚葉さんハッとして、あたしを見た。
うん。
うすうす気づいてたけど、
柚葉さん、本気であたしのこと、忘れてたよね。
柊くんがクスクス笑ってる。
「ありがと」
腕の代わりに額に押し付ける。
血まみれ…
柚葉さんが自分の上着を脱いで、惨状にしか見えない柊くんの服を、覆ってあげる。
心配そうに、柊くんを伺いながら。
…何か…
柊くん、このヒトの弟だったら、よかったのにな。
そおしたら、普通に幸せだったのに。
心の底から、そう、思った。
「…血、止まったかも」
柊くんがつぶやいて、ティッシュの束を額から除けると、柚葉さんは覗き込んで、
「1㎝くらい切ってる。病院…」
「行かない。大丈夫」
「でも、傷が…」
柊くんがクスっと笑った。
「残らないと思います。それに、このくらい残ったところで大したことないです。…江間さんだったら、心配してあげないといけないけど」
柚葉さんハッとして、あたしを見た。
うん。
うすうす気づいてたけど、
柚葉さん、本気であたしのこと、忘れてたよね。
柊くんがクスクス笑ってる。