綺麗なブルーを描けません
言って、心臓に悪いハグをする。

…分かってるのかな、このヒト。

寿命が縮みそうに思える。

「…柚葉さんって、すっごく憧れてるヒトとかいる?」

とても控えた声で言う。

それが、聞こえる距離だから。

「え?うん…まあ」

「その人がさ、突然目の前にきて、柚葉さんのことハグしたら、どうする?」

「どうする、って言うより、卒倒する」

「…じゃあ」

背中に手を回して、柚葉さんの手をほどく。

でも、かえってしっかりハグし直される。

「…慣れて欲しいな…2年計画だけど、これ、拒まれてたら、100年かかっちゃう」

< 137 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop