綺麗なブルーを描けません
2年計画って何ですか?」

「…エマが30歳になる」

「…そうですけど…」

「…忘れられてるね。…いや、拒否されたんだ。うやむやにされた、かな。でも、きっちり断られてないから、続行してるんだけど。…2年後、結婚してる予定なんだ」

「柚葉さんですか?」

「うん」

あたしは、もっと力強く、柚葉さんの手をほどこうとして、

「…エマとね。…楓さんだったっけ」

あたしの手から、力が失せる。

そういえば、そんなこと言ってた気がする。

「…何で…もっといっぱい女のヒトいるじゃないですか」

「…知ってるよ。エマより、そういうの分かってる。…でも、エマほど想われたことないんだよ、オレ」

ぱって、手を離される。

「あと、オレ、あきらめるのも早いみたい。…嫌なんだったら…いい」

信じられない思いで、柚葉さんを見る。

言葉通りの、冷めた目。

信じられない。

あああああ。
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