綺麗なブルーを描けません

柊くんの非難を籠めた目が、時々あたしに突き刺さる。

会わないように行動しても、会社では絶対に会ってしまう。

でも、目を合わせないようにしていた。

物凄い不自然。

こんな苦しい状態が、そんなに長く続けられるハズがないんだ。

昼休みに、そっと、柊くんが近づいてきた。

「ちょっと、話あるんだけど」

そうでしょうとも。

あたしは、黙って顔を上げる。

柊くん、目が、とても怒ってる。

朝からずっと、この怒りのテンションを保ってる。
「よかったら、ご飯食べながら、どう?奢りますよ、楓さん」


怒ってる…

楓さんなんて、呼んだことないくせに。

「…はい」
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