綺麗なブルーを描けません
お店じゃ、大きな声すら出せないもんね。
柊くんは、ベンチを見つけ、あたしに『座れ』と指さす。
あたしは、すとんと、腰掛ける。
「…オレが、何を怒ってるのかは分かってると思う」
「…柚葉さんのこと」
「そう。…何で?急にお兄さんが現われたからって、どうしてそうなるんだ?」
あたしは、目の前に立っている、柊くんを、見上げる。
「言えない」
柊くんの中で、怒りがさらに火を噴くのが見える。
けれど、彼はちょっと目を伏せて、怒りをねじ伏せる。
「…オレが部外者なのは分かってる。けど、オレ、柚葉さん、好きなんだよ」
「…さすが、ひとたらし」
「え?」
「いえ」
「…江間さんの味方になれる気はしない。…オレは、江間さんの部屋のドアけ破ってでも、撤回させたかった。…で
も、柚葉さんに静かに止められて」
心が痛んだ。
分かりやすく、ズキッって音が聞こえるくらい。
柊くんは、ベンチを見つけ、あたしに『座れ』と指さす。
あたしは、すとんと、腰掛ける。
「…オレが、何を怒ってるのかは分かってると思う」
「…柚葉さんのこと」
「そう。…何で?急にお兄さんが現われたからって、どうしてそうなるんだ?」
あたしは、目の前に立っている、柊くんを、見上げる。
「言えない」
柊くんの中で、怒りがさらに火を噴くのが見える。
けれど、彼はちょっと目を伏せて、怒りをねじ伏せる。
「…オレが部外者なのは分かってる。けど、オレ、柚葉さん、好きなんだよ」
「…さすが、ひとたらし」
「え?」
「いえ」
「…江間さんの味方になれる気はしない。…オレは、江間さんの部屋のドアけ破ってでも、撤回させたかった。…で
も、柚葉さんに静かに止められて」
心が痛んだ。
分かりやすく、ズキッって音が聞こえるくらい。