綺麗なブルーを描けません
「何で?何が気に入らないんだ?…って、柚葉さんが原因じゃないだろ。明らかに、お兄さんの出現が原因だ」

「…だって、兄が現われる直前まで、あたし、凄く…楽しくて、幸せで…でも、」

苦しくなってのどが詰まる。

「…あたし、ウチの人に、柚葉さんの存在を知られることすら、嫌だ。いろいろモメてる姿を見られるのも嫌」

言って、逃げようとした。

けれど、逃げられない位置に柊くんがいる上に、飢えてるあたしに、コンビニおにぎりを差し出した。

「それで?素直に全部喋れば、これ、あげる」

そんなことに、…つられるあたしだ。
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