綺麗なブルーを描けません
「ごめんね。…世話やかせて。…自分だって、しんどい時なのにね」

言うと、柊くんは、意外そうな顔をした。

「…そういうこと、心配してくれる人だったんだ」

「…」

「割と、放っておかれてるからさ…心配されてないんだと…」

「それは、心配してない訳じゃなくて、…あたしが関わっていいとは思ってなかったから、そっとしておこうって思
ってて」

笑われた。

「そうなの?じゃあ、心配してくれてたんだ?…オレは、江間さんって冷たいなって思ってた」

「…そうなんだ。心配しててもよかったんだね。じゃあさ、今は元気?」

柊くんは、きゅって口を結んで、ちょっと考えてから、喋りだした。

「…あんまり。日中しんどいのは、耐えられるんだよ。でも、朝とか、何かに揺り起こされた感覚で、ハッって目覚めて…心臓バクバク言ってて…。毎朝死にそうな気持で目覚めすんだ。あれが、キツいかな。
自分の希望通りに独り身になったのに、何でこんな症状が出るのか、自分でも全く原因が分からないんだけど」
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