綺麗なブルーを描けません
自由そうには見えてるけど、それはきっと彼の努力であって、

実は、かなりしんどい縛りを課せられてたんだな。

「オレは、一緒に幸せになろうと思ってた。

家族だったら、子供も欲しいなって思ってた。

なのに、あのヒトはそういうの全部否定するんだ。

子供なんて、自分の時間が奪われるだけだから、

絶対にいらない…

自分の時間を大事にする彼女は、だけど、オレの時間は大事じゃないらしくて、

オレは、常に彼女に物凄く監視されてて。

全然自由がなくて、少し帰りが遅くても、物凄く説明をしないといけなくて。

でも、オレは、...そこまで信用されない理由が分からない

…こんな状態で、彼女とずっと二人だけでこの先過ごさないといけないのかって…考えると…本当にオレは」

さすがに、そこで言葉を止めた。

理性が残ってない訳じゃないんだ。

「…そうなんだ。…何で、もっと小出しにしてくれなかったの?いつでも聞いたのに」

「…自分だって、柚葉さんのこと黙ってたくせに」

「それは、別に悩んでるわけじゃないし。ただ、誰にも言いたくなかっただけで」

「…駄々洩れだったけどね。…すぐにわかったし、柚葉さんと初めて会った時に、ああ、このヒトだったんだって思った」

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