綺麗なブルーを描けません
「あ、ごめんね」

自分の声に重なった、ものすごく好みな声に、顔を上げる。

「…って、エマじゃん。何してるの?こんなところで」

柚葉さんだ。

その姿に、あたしが独りで行動するときのための、「クールモード」が一気に崩壊する。

この人を見ると、気力とか、表情とかが、とろけてしまう。

何となく可愛い雰囲気の見た目。
若干女性的な雰囲気もあって、それがとてもあたしの好みのツボなんだと思う。

ずっととろけていたいけど、がんばって、脳みそを働かせる。

「ゆっ、柚葉さんこそ、昨日プロポーズした人が、こんなとこで何してるんですか?」

「…それは、その…まあ。いろいろあって…。エマは?柊とでも一緒なの?」

「何であたしは柊くんとセットなんですか。独りです」

「…そうか。そういえば、あいつ妻帯者か。

こんな時間にエマと遊んでたら問題だな。

…ってオレも独りなんだけど、ご飯一緒に食べない?」

柚葉さんも、調達した朝ごはんのトレーを持ってる。

何か、何ていうか、いつもと感じが違う柚葉さん。

寝起きなのかな。

朝、弱いのかな?

ちょっと、静かな雰囲気の、柚葉さんにちょっとふふって思ってしまう。

貴重な情報。

増やしたって仕方の無い、大事なコレクシヨン。

「あ、あたし。あっちのブースに…」

って、あんな狭いとこに、婚約者ありの柚葉さんと一緒にいろってか

焦ってると、

「じゃ、そこで食べよう」

勝手にそういうことにされて、ブースに移動した。

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