綺麗なブルーを描けません
実は、柚葉さんに出会ったのはここなんだ。
高校生の時に、友達と遊びに来て、やったこともないビリヤードを、もたもたやってたら、友達と隣の台で遊んでた柚葉さん達が、見かねて教えてくれた。
それが、凄く…かっこ良かったんだよな。
自分たちもあんまり上手くないんだけど…って言いながら。
今もビリヤード、全くできないんだけど。
「あの…彼女さん、今日お仕事かなんかですか?」
「え?何で?」
「だって、プロポーズした翌日に、こういうとこで1人で居るとか会っちゃうとか、おかしいですよ」
「…だよな」
「うん」
「…そうだよな。戦地に赴く前にわざわざ報告したんだから、戦績も報告しないといけないよな」
ズキッと、心が痛む。
「…まあ…そうですね」
じってこっちを見てた柚葉さんは、急に視線を落とす。