綺麗なブルーを描けません
「そりゃあ、そうですよ。

大事な友達の部類は柊くんだけです。

何かね、柊くんのこと、ちょっと尊敬してるかも。いや、もういっそ、大好きなのかも」

「…惚れてるんじゃん?」

「違います」

「よくわかってないだけで、惚れてんだって。絶対そうだよ。じゃないとおかしい」

「おかしくないです」

「じゃあ、柊とは別に好きな男いるの?」

「います」

「…そう、なんだ」

「うん。10年くらい片想いですけど」

柚葉さんは、飲もうとしていたコーヒーを、吐き出しそうになる。

「じゅっ…。気が長いねえ。誰かに取られないの?」

「取られまくってますよ」

「…いいの?」

「いいんです。もう終わりましたから。昨日」

今まで言えなかったくせに、どうせ、もう駄目だと思うと、言えちゃうんだな。

あれかな、あの柊くんに吐露してもらえる自分っていうところで、自信を持てちゃったのかも。

「…昨日?」

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