綺麗なブルーを描けません
一昨日の夜までなら、それでもよかった。

でも、異動して引っ越しなんかしたら、柚葉さんに会えなくなる。

でも、あたしが断ったら、佐野さんや佐藤さんに迷惑がかかる。

「あの…多分、江間さんも同意すると思うんです。

でも、もうちょっと考えさせてやってくれませんか?」

「それは、当然だと思う。

…ここに、資料があるから

…午前中ずっと使っていいから、ここで、考えてみてくれ。

なるべくいい答えの方で」

上司は、資料を置いて出てく。

代わりに、受付のお姉さまが、お茶を持って来てくれた。

「あら、二人で異動なんて、てっきり二人とも有頂天になってると思ったのに、意外に暗いのね」

要らぬことをきっちり言って、去っていく。

「あれって、絶対誤解されてるよね。

あたし、そんなに、柊くんを追っかけ回してるように見える?」

「逆かもよ。オレが追っかけ回してるように見えるのかも」

どっちにしても 

迷惑だな。

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