綺麗なブルーを描けません
案内される。

奥の方の席。

何人かずつのグループがいる中、独りでこちらに背中を向けて座ってる人がいる。

「こちらです」

いざなわれていく。

「…私、いつも仲良く来られる人が彼氏さんなんだと思ってました」

言った店員さんに乗っかって

「オレも、そうなんじゃないかなあとすら思ってた」

後ろ向きだった人が言う。

えっ?

あたしは急いで回り込む。

あと何か月かは、来られないはずの、柚葉さん。

柚葉さんが、ここにいて笑ってる。

うそーーーっ。

何で?何でっ!?

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