綺麗なブルーを描けません
「...邪魔、なんだ」

「そ、だね」

「そうだよねー。迷惑でしかないよねー。あたし、柚葉さんにフラれたうえに、柊くんの幸せな時間まで奪ってて、最低だね」

「落ち込むのは自由だけど、自分を攻撃するのはダメだよ。オレ、それをさせないために、江間さんに付き合ってるんだから」

「はー。ありがたい。...でも、それって柊くん、すごく疲れない?誰にでも気をつかってたら」  

柊くんは、おちょこの日本酒をあおって、微笑む。

「誰にでも、気を使ってる訳じゃないよ。江間さんだから、気になるんだよ」

「その、魅力的なお顔で、そういうこと言わない❗罪作りだよー」

柊くんは、クスッと笑う。

「オレが江間さんの好みじゃないのは知ってるよ。

...ただ、江間さんって、自己評価の低いヒトだから。

その、自自己評価、高くしてあげたいと思ってたんだ。

自己評価なんて、高い方が生きてて楽しいからね。

でも、江間さんは、ずっと柚葉さんのことしか見えてなかったし、オレは結婚してしまったし。

...だいたい、オレは江間さんの眼中にないのはわかってたしね。だから、叶わなかったけど」

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