綺麗なブルーを描けません
予想外に、不愉快だったんだろう。

どうしてほしかったんだろう。

慌てふためいてほしかった?

「…離婚したら、雪はオレがもらうよ。…君にとってはいいことだろう?」

いいこと、か?

柊くんは、このヒトが嫌いで、このヒトに、彼女が嫌な思いをさせられることを、恐れてる。

なのに。

思ってハッとする。

そうか、勘違いしてるんだな。

あたしが柊くんのこと、好きだと思ってるんだ。

…大好きだけどさ。

っていうか、このヒトの目には、あたしが今一緒にいる、柚葉さんの存在が映ってないのかな。

「でもね、凪は、どうなるかな…その目で見たらいい」

あたしに紙を押し付けると、背中を向けて行ってしまう。





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