君の声闇の中
「え、麻衣！！ なんで」
僕は小声でそうつぶやいていた。
「あのー今日面接に来た夕凪空《ゆうなぎそら》と言いますが店長さんはいらっしゃいますか？」
僕は一瞬彼女に見とれていた。
「あ、店長は奥に居ますので案内します。」
そう言って彼女を連れて店の奥に行った。
そこにはいつも優しくしてくれている店長がいた。
「面接の方をお連れしました。」
そう言うと店長がこっちへ振り返った。
「ああ匠君ありがとね」
店長はいつもの優しい笑みを見せた。
僕は彼女にそっくりな夕凪さんのことが気になって仕事も手につかなかった。
その時だ。
「今日はありがとうございました」という夕凪さんの声がした。
夕凪さんは帰り際に僕にも会釈して帰っていった。
僕は夕凪さんのことが気になり店長に夕凪さんのことを聞いた。
「夕凪さんって面接どうだったんですか？」
すると店長が「いやービックリしたね。麻衣ちゃんそっくりだったね。夕凪さんいい子だね。もちろん合格だよ」
そう。店長は僕の彼女のことを知っている。」
ここのコンビニで麻衣と一緒に働いていたからだ。
僕の彼女、広野麻衣《ひろのまい》は三十二歳で命を落とした。
彼女は笑顔がとても素敵で黒髪ショートがとても似合う年上の女性だった。
彼女とは五年間付き合った。
さらに毎日会っていたくらい仲は良かったと僕は思い込んでいた。
だが彼女は自らで命を落としてしまった。
僕は麻衣のＳＯＳに気付けなかった。
麻衣とは同棲していたが僕が寝てる間に彼女は亡くなっていた。
目を覚ました時にはもう冷たい彼女だった。
店長に夕凪さんのことを聞いてみた。
「店長は夕凪さんが麻衣に似てること知ってたんですか？」
「いや、僕も顔は今日初めて見たんだ。電話で面接してほしいって連絡がきてたから。」
「そうだったんですね。」
「僕も今日はビックリしたけどこれから夕凪さんの教育係よろしくね。」
「はい。分かりました」
僕がこのコンビニで働きだしたのは麻衣が先にここで働いていて店長に僕を紹介してくれてからだ。優しい店長は快く僕のことを迎えてくれた。
そんな感じで麻衣とは仕事でも一緒で帰ってからも一緒という状態だった。
それからもここでずっと働かせてもらっている。
店長は僕のことを責めるどころか優しく慰めてくれた。
僕は何度も彼女の後を追うことを考えた。
僕が麻衣を殺したようなものだから。
だがそれはできなかった。僕は死ぬことが怖い。
それに僕が麻衣を亡くして悲しんだように悲しむ人がいるんじゃないかと思うと死ぬことができなかった。
「お疲れ様でした」
今日も一日仕事が終わった。
「ああ匠君、お疲れ様。来週から夕凪さんには仕事入ってもらうからよろしくね」
「はい。分かりました。来週もよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくね。帰る前に引き止めちゃってごめんね。」
「大丈夫ですよ。それでは失礼します。」
そんな話をして僕は家に帰った。僕は家が嫌いだ。
家にいると麻衣のことを思い出すことが多すぎるからだ。
同棲していたこともあり家での思い出も多い。
なので家に帰るとすぐに寝てしまうことが多い。
「たっくんごめんね。辛い思いばかりさせちゃって。」
「麻衣、僕は大丈夫だよ。僕こそ麻衣のＳＯＳに気付けなくてゴメン。」
「私はたっくんと一緒にいられて幸せだったよ。」
「じゃあなんで？」
「ゴメン。まだ今は言えない。」
すると麻衣は消えて夢が覚めていた。
またあの夢か。
「今は言えないって言ってたけどいつか亡くなった理由教えてくれるかな？さあ今週から夕凪さんも働き始めるし頑張ろう。」
そう言ってやる気を出して僕はコンビニへ向かう。
「店長。おはようございます。」
「おはよう匠君。今日から夕凪さんの事よろしくね。」
僕は「はい」と元気よく答えた。
それから少しして夕凪さんが来た。
「おはようございます。今日からよろしくお願いします。」
夕凪さんはお辞儀し僕と店長にあいさつした。
僕も店長も歓迎ムードで迎えた。
僕は自分が働きだした時の事を思い出していた。
彼女に紹介してもらい先輩たちや麻衣や店長に歓迎してもらい、ここならやっていけると思った矢先に麻衣が亡くなった。それでも店長の優しさに甘え今でもここで働かせてもらっている。
僕は正直麻衣との思い出があるこの店はやめようかとも思った。でも店長が励ましてくれて僕を責めもしないでいてくれて本当にありがたかった。
「今日から夕凪さんの教育係をする新藤匠です。よろしくお願いします。」
夕凪さんはお辞儀して「よろしくお願いします。匠先輩。」と言った。
僕は後輩ができてとても嬉しかった。
僕は小声でそうつぶやいていた。
「あのー今日面接に来た夕凪空《ゆうなぎそら》と言いますが店長さんはいらっしゃいますか？」
僕は一瞬彼女に見とれていた。
「あ、店長は奥に居ますので案内します。」
そう言って彼女を連れて店の奥に行った。
そこにはいつも優しくしてくれている店長がいた。
「面接の方をお連れしました。」
そう言うと店長がこっちへ振り返った。
「ああ匠君ありがとね」
店長はいつもの優しい笑みを見せた。
僕は彼女にそっくりな夕凪さんのことが気になって仕事も手につかなかった。
その時だ。
「今日はありがとうございました」という夕凪さんの声がした。
夕凪さんは帰り際に僕にも会釈して帰っていった。
僕は夕凪さんのことが気になり店長に夕凪さんのことを聞いた。
「夕凪さんって面接どうだったんですか？」
すると店長が「いやービックリしたね。麻衣ちゃんそっくりだったね。夕凪さんいい子だね。もちろん合格だよ」
そう。店長は僕の彼女のことを知っている。」
ここのコンビニで麻衣と一緒に働いていたからだ。
僕の彼女、広野麻衣《ひろのまい》は三十二歳で命を落とした。
彼女は笑顔がとても素敵で黒髪ショートがとても似合う年上の女性だった。
彼女とは五年間付き合った。
さらに毎日会っていたくらい仲は良かったと僕は思い込んでいた。
だが彼女は自らで命を落としてしまった。
僕は麻衣のＳＯＳに気付けなかった。
麻衣とは同棲していたが僕が寝てる間に彼女は亡くなっていた。
目を覚ました時にはもう冷たい彼女だった。
店長に夕凪さんのことを聞いてみた。
「店長は夕凪さんが麻衣に似てること知ってたんですか？」
「いや、僕も顔は今日初めて見たんだ。電話で面接してほしいって連絡がきてたから。」
「そうだったんですね。」
「僕も今日はビックリしたけどこれから夕凪さんの教育係よろしくね。」
「はい。分かりました」
僕がこのコンビニで働きだしたのは麻衣が先にここで働いていて店長に僕を紹介してくれてからだ。優しい店長は快く僕のことを迎えてくれた。
そんな感じで麻衣とは仕事でも一緒で帰ってからも一緒という状態だった。
それからもここでずっと働かせてもらっている。
店長は僕のことを責めるどころか優しく慰めてくれた。
僕は何度も彼女の後を追うことを考えた。
僕が麻衣を殺したようなものだから。
だがそれはできなかった。僕は死ぬことが怖い。
それに僕が麻衣を亡くして悲しんだように悲しむ人がいるんじゃないかと思うと死ぬことができなかった。
「お疲れ様でした」
今日も一日仕事が終わった。
「ああ匠君、お疲れ様。来週から夕凪さんには仕事入ってもらうからよろしくね」
「はい。分かりました。来週もよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくね。帰る前に引き止めちゃってごめんね。」
「大丈夫ですよ。それでは失礼します。」
そんな話をして僕は家に帰った。僕は家が嫌いだ。
家にいると麻衣のことを思い出すことが多すぎるからだ。
同棲していたこともあり家での思い出も多い。
なので家に帰るとすぐに寝てしまうことが多い。
「たっくんごめんね。辛い思いばかりさせちゃって。」
「麻衣、僕は大丈夫だよ。僕こそ麻衣のＳＯＳに気付けなくてゴメン。」
「私はたっくんと一緒にいられて幸せだったよ。」
「じゃあなんで？」
「ゴメン。まだ今は言えない。」
すると麻衣は消えて夢が覚めていた。
またあの夢か。
「今は言えないって言ってたけどいつか亡くなった理由教えてくれるかな？さあ今週から夕凪さんも働き始めるし頑張ろう。」
そう言ってやる気を出して僕はコンビニへ向かう。
「店長。おはようございます。」
「おはよう匠君。今日から夕凪さんの事よろしくね。」
僕は「はい」と元気よく答えた。
それから少しして夕凪さんが来た。
「おはようございます。今日からよろしくお願いします。」
夕凪さんはお辞儀し僕と店長にあいさつした。
僕も店長も歓迎ムードで迎えた。
僕は自分が働きだした時の事を思い出していた。
彼女に紹介してもらい先輩たちや麻衣や店長に歓迎してもらい、ここならやっていけると思った矢先に麻衣が亡くなった。それでも店長の優しさに甘え今でもここで働かせてもらっている。
僕は正直麻衣との思い出があるこの店はやめようかとも思った。でも店長が励ましてくれて僕を責めもしないでいてくれて本当にありがたかった。
「今日から夕凪さんの教育係をする新藤匠です。よろしくお願いします。」
夕凪さんはお辞儀して「よろしくお願いします。匠先輩。」と言った。
僕は後輩ができてとても嬉しかった。
