センパイの嘘つき


なんとなく、予想はしていた。


「こんな典型的な…」


昼休みが終わって、教室に帰って。


机の中の教科書やノートが、全て無くなっていた。


私はため息をつく。


「柚月!どーだった、先輩とのお昼は!」


いいなーイケメンとお昼なんて!


嬉しそうに笑う咲に、心配はかけたくない。私は何もなかったかのように笑顔を作る。


教科書はとなりの人に見せてもらおう。ノートは予備がある。大丈夫。


これは、嘘つきの私への罰だ。

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