センパイの嘘つき
恐怖
「おはよ、柚月ちゃん」
「…おはようございます」
朝、いつものように迎えに来てくれた先輩に、いつもとは違う胸の高鳴りを感じる。
認めて、やっと素直になれる。
先輩のことがすごく好きだって。
ふわふわの金髪が、一箇所変な方向にハネているのを見つけた。
「先輩、寝癖ついてますよ」
「え?どこどこ」
手を伸ばそうとして、ハッとする。
「…先輩、顔色悪い」
いつもよりも青白い顔。
近くで見るとより一層わかる。目の下のクマが濃い。