センパイの嘘つき
「もし私が勝ったら、明日から私に話しかけないでください」
「えー、冷たいなあ」
そう言いながらも全然しょぼくれない先輩。これはかなりの強敵だ。
「じゃあ、俺が勝ったら…」
先輩は考えるように上を見てから、にやり、と不敵な笑みを浮かべた。
ごくり、と私は唾を飲んで構える。
「俺のこと、下の名前で呼んで?」
「なっ!?」
そんなの、公開処刑でしかない。
でも…引き下がれない。
「次は本気出しますから!」
私は配られたカードに手を伸ばした。