センパイの嘘つき
「あははははは!」
再び、先輩の笑い声。
…なんで。
「なんで勝てないの!?」
「だって柚月ちゃん、わかりやすいから」
「もうそれは聞き飽きました!」
どうやら先輩がババ抜きが得意というのは本当らしい。
私が弱いというわけではないと思う。多分。
「じゃあ、約束通り?」
「…あー、そろそろ帰った方がいいんじゃないですか?外も暗いですし?」
「柚月ちゃん?」
微笑みが、怖い。
「っ…わかりました!やればいいんでしょ!?」
悔しいけど、負けたのは私だ。