センパイの嘘つき
その日から数日間、また先輩は学校に来なかった。
メッセージを送っても、既読にならない。
再び私を襲う不安。
なんでか、胸がざわざわする。
「柚月、かえろー」
放課後、私を誘った咲に、謝る。
「ごめん、今日はちょっと…」
「…もしかして、柳先輩?」
「…うん」
「前も行ったけど、誰もいなかったんでしょ?どうせまた遊んでるだけだよ」
「…そうかもね」
それなら、いい。それだけなら、いいの。
「でも、もしかしたらいるかもしれないから」
そう言う私に、咲は納得いかなそうな顔をした。
私は気づかないふりをして、職員室に向かう。
…ごめんね、咲。