センパイの嘘つき


散々かっこつけまくった。自分の傷を隠して、笑顔で、余裕ぶって。君の前で、大人な頼れる先輩でいたかった。


でも、ごめん。俺は、かっこ悪いんだ。すごく。


こんな風に君に弱音を吐いてしまうくらい、かっこ悪い。


俺は、きっと君に会った時からずっと、君に助けて欲しかった。


こんな俺を、救って欲しかった。


君の幸せを願う、なんてかっこいいことは言えない。0.1%でも望みがあるなら、これから先ずっと、君の隣にいたいんだ。


だから、柚月ちゃん、

< 158 / 181 >

この作品をシェア

pagetop