センパイの嘘つき
「ふっざけんなぁぁぁぁ!!!私だけの悠人!!誰にも渡さないっ!!」
何度も何度も、骨と骨がぶつかる音がする。
「やめてぇ!!!」
私は必死に全身を、悪魔のような女にぶつける。
「こんの女っ…」
何度も蹴られる。でも、離さない。絶対。
サイレンの音が聞こえる。
やっと、来たんだ。
女の体が強張ったのが分かる。
もう、終わりだ。あなたの好きなようにはさせない。
何人もの足音が聞こえる。男の人の声、女の悲鳴。
私は腕から力を抜いて、床に倒れこむ。