センパイの嘘つき
入院して1週間が経った。里美ちゃんや咲が来てくれない昼間は、私にとっては退屈すぎる。
私はガウンを羽織って、病室を出る。
そういえば、一人で病室を出るのは初めてかもしれない。
病院にはいろんな人がいる。
若い人からお年寄りまで、私より小さな子も、たくさんいる。
足に何かが当たって、私はしゃがむ。
「お手玉…?」
「おねーちゃん」
顔を上げると、ちょうど同じくらいの高さにくりくりした瞳があった。