センパイの嘘つき


どんどん短くなる、私と先輩の距離。


ドクドクドク、と私の心臓は早鐘のように加速してゆく。


「ねえ…」


「これ以上近づかないで!!」


私は思わず叫んだ。


きょとん、としてる先輩。


私はハア、ハア、と肩で息をする。


「…私、」


自分のつま先を見つめて、スカートの裾をぎゅっと握る。


「男の人、苦手なんです」

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