センパイの嘘つき


放課後、保健室のドアを開けようとかけた手を止めた。


中から、すすり泣きが聞こえてくる。


隙間から、そっと覗くと、そこには柳先輩と知らない女の人がいた。


なにやら二人で話していて、ここからはあまり聞こえない。


ただ、女の人が泣いていて、柳先輩が彼女を抱きしめながら頭を撫でているのが見えた。


…多分、先輩と同じ学年の人だろう。取り巻きの中の一人だった気がする。


なんとなく入ってはいけないと思い、私は待つことにした。

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