センパイの嘘つき
「だってさ、相手はあの柳先輩でしょ?すごいことだよ?」
「知らないよそんなの。咲は、私が男の人苦手なの知ってるでしょ?」
「知ってるよ、それを治すために保健室に通ってるってこともね」
咲の言葉に私はなにも言い返せなくなってしまう。
キャーーーー!、と廊下から女子の黄色い声がとび、私は思わずそちらをみる。
その金色の髪の毛を目にするのと同時に私は思い切り机に伏せた。
「相変わらず女子引き連れてるねぇ」
私は咲の言葉を無視してぎゅっと目を閉じる。
あんな、作り笑いをする人なんか信じられるわけがない。
彼女なんて。
あの中の1人になんて、絶対なりたくない。